海外の企業が日本で子会社を設立する流れと注意点を解説
海外企業が日本市場へ進出する方法の1つに、日本で子会社を設立する方法があります。
本記事では、海外企業が日本で子会社を設立する基本的な流れと、実務上の注意点について解説します。
日本で子会社を設立する主な流れ
日本での法人設立は、本国の親会社が発起人となり資本金を出資して子会社を設立する形が一般的ですが、親会社の代表者や日本に在住する代表予定者が発起人となることもあります。
手続きは主に次の3段階で進みます。
- 基本事項の決定と宣誓供述書の取得
- 定款の作成と資本金の払い込み
- 登記申請と事後届出
順を追って確認していきましょう。
基本事項の決定と宣誓供述書の取得
海外企業が日本に子会社を設立する場合、会社形態や本店所在地、資本金額、役員などの基本事項を決定します。
定款の認証や法人の設立登記申請の際に発起人や取締役の印鑑証明書の提出が必要ですが、本国の親会社や海外に居住する個人が発起人や取締役となる場合は、印鑑証明書を取得できないため、本国の公証人役場で作成された宣誓供述書やサイン証明書を代替書類として準備する必要があります。
定款の作成と資本金の払い込み
次に、日本の会社法に基づく定款を作成します。
株式会社の場合は公証役場での定款認証が必要です。
定款完成後は資本金を払い込みますが、法人設立前は法人口座がないため、日本在住の代表予定者や協力者の個人口座を一時的に利用して送金し、払い込みを証明します。
登記申請と事後届出
必要書類が揃ったら法務局へ設立登記を申請します。
登記完了後は、税務署や自治体、社会保険関係の届出、事業内容によっては事業許認可の取得申請を行います。
あわせて、海外からの投資については、日本銀行を通じた外為法の事後報告手続か、業種によっては法人設立前の届出手続も必要になります。
子会社設立にあたっての注意点
子会社設立の際には、日本の法令・慣習・文化・宗教などの違いによるリスクを十分に把握し、法令遵守体制や内部統制・コンプライアンス体制を構築する必要があります。
労務管理や現地採用人材の管理、物理的距離によるリモートリスク、現地代表者の板挟みリスクなど、現地運営上の課題にも注意が必要です。
まとめ
海外企業の日本進出は単なる登記手続きだけではありません。
親会社から役員を派遣し日本に常駐する場合はビザ申請を行う必要がありますし、法人名義の銀行口座の開設、税務届出、社会保険届出、事業許認可の取得、外為法への対応などが複雑に絡み合う難易度の高いプロジェクトです。
自社だけで対応しようとすると膨大な時間と手間がかかるだけでなく、事業開始が遅れるリスクもあります。
スムーズな立ち上げを実現するためには、国際業務に精通した弁護士などの専門家へ早期に相談しトータルサポートを受けることをおすすめします。
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弁護士吉崎 猛Takeshi Yoshizaki
お客様のスケジュール感に合わせ、柔軟かつ迅速にサポートいたします!
昨今の企業活動はもはや日本だけで成り立つものではなく、あらゆる面で海外のことが関わってくるため、日本法や日本語、これまでの日本での商慣習だけで対応することはできません。
当職は主に中小企業の海外取引や海外進出を中心とした様々な法務サポートや、日本で事業展開する外資企業の法務サポートも行っています。
また、海外の専門家とも提携しており、内容・費用ともクライアントに納得頂ける法務サービスの提供を心がけております。
所属団体等
- 大阪弁護士会所属
- 日本弁護士連合会指定の中小企業の海外展開支援弁護士
- 経営革新等支援機関
- さいたま市産業創造財団、横浜企業経営支援財団ほかのアドバイザー
取扱言語
- 日本語、英語、中国語
著書・論文
- ミャンマー会社法・外国投資関連法※監修、㈱アイキューブ
- 海外派遣者ハンドブック(フィリピン編)※主査、日本在外企業協会
- 中小企業海外展開支援 法務アドバイス※共著、経済法令研究会
- 日インドEPAの原産地規則※ビジネス法務
- 中国ビジネスのための法律入門 中央経済社 他多数
経歴
- 早稲田大学政治経済学部卒業
- ペンシルベニア大学ロースクール(LL.M.)卒業
- 大連外国語学院 長期語学研修課程(中国語)修了
- 2001年 日本国弁護士登録 (54期)
- 2009年 米国カリフォルニア州弁護士登録
- 現在 弁護士法人桜橋総合 代表社員
事務所概要Office Overview
| 名称 | 弁護士法人桜橋総合大阪事務所 |
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| TEL/FAX | TEL:06-6362-5105/ FAX:06-6362-5106 |
| 代表者 | 吉崎 猛(よしざき たけし) |
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