法務デューディリジェンスの実施
デューデリジェンスとは、相手先企業の買収や出資などを行うにあたり、買収先・出資先企業の価値・財産状況・リスクを調査しておくことをいいます。デューデリジェンス(due diligence)とは注意義務のことを意味し、デューデリジェンスのことを略してDDということもよくあります。
デューデリジェンスにも、買収先・出資先企業の事業の有益性・将来性、企業価値などを調査する事業デューデリジェンス、財務状況を調査する財務デューデリジェンス、法務事項を確認する法務デューデリジェンスなどがありますが、これらはいずれも相互に絡み合っているものであります。
法務デューデリジェンスを行う目的は、相手先企業の買収や出資などを行う際に生じうる法的リスクの洗い出しとその評価にあります。法的リスクを正確に把握することによりそもそも買収や出資を行うか、あるいは買収額や出資額が適正であるかを判断することになります。法務デューデリジェンスはその材料を提供するための作業といえます。
法務デューデリジェンスの内容として、具体的に3つ挙げることができます。
第1に、買収先・出資先企業がどのような契約上の債権を有し、債務を負っているのか、また契約をしている企業はどのようなものであるか、どのような内容の契約となっているかなどを確認する契約事項に関する事項を検討することになります。
第2に、買収先・出資先企業がどのような資産(不動産、動産、特許などの知的財産、金融資産など)を有しているか、またその資産(特に不動産)に抵当権などの担保が設定されているか、あるいはリース・賃貸契約がなされているかを確認するなどの、資産に関する事項を検討することになります。
そして第3に、買収先・出資先企業の基本的な組織体制、労務、コンプライアンス(法令遵守)状況、訴訟などの紛争の発生の有無などを調査し、社内の組織や事業運営上の問題点やリスクを検討することになります。
このような法務デューデリジェンスを行うことにより、事業デューデリジェンスや財務デューデリジェンスの結果とも絡めて、そもそも買収や出資を行うか、あるいは買収額や出資額が適正であるかといった点を総合的に評価・判断することになるわけです。
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弁護士吉崎 猛Takeshi Yoshizaki
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所属団体等
- 大阪弁護士会所属
- 日本弁護士連合会指定の中小企業の海外展開支援弁護士
- 経営革新等支援機関
- さいたま市産業創造財団、横浜企業経営支援財団ほかのアドバイザー
取扱言語
- 日本語、英語、中国語
著書・論文
- ミャンマー会社法・外国投資関連法※監修、㈱アイキューブ
- 海外派遣者ハンドブック(フィリピン編)※主査、日本在外企業協会
- 中小企業海外展開支援 法務アドバイス※共著、経済法令研究会
- 日インドEPAの原産地規則※ビジネス法務
- 中国ビジネスのための法律入門 中央経済社 他多数
経歴
- 早稲田大学政治経済学部卒業
- ペンシルベニア大学ロースクール(LL.M.)卒業
- 大連外国語学院 長期語学研修課程(中国語)修了
- 2001年 日本国弁護士登録 (54期)
- 2009年 米国カリフォルニア州弁護士登録
- 現在 弁護士法人桜橋総合 代表社員
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